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【魔法少女レムリアシリーズ】Baby Face-67-

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 レムリアがオランダにいた理由。
 初等校での教員ぐるみ全員からの無視。すなわち、いじめ。
 因子は人種の違い。子供達に王族卑下の洗脳行為。但しそれは振り返っての結論。そう考えた方が得心が行くのでテレパス噛まして確定。もちろん、公的な、科学的な証拠にはならない。
 ただ、私的、および、
 精神世界次元の対応には十分。
 いじめという行為を王族に対してやるか?と訝る向きもあろう。しかしここは決して裕福ではない国家であり、税金(と、実際には過去の遺産)により生活。国民感情は決して良くなかった。そこへ乗じた。以上、理由の第一。
「どうしますかレイシスト校長」
 吐き捨てるように、レムリアは言った。レイシスト。人種差別主義者。
 意趣返しが通じないならストレートしか手段はない。
「これは異な事をおっしゃる」
 普通、真っ向その手の最悪人格否定を受ければ、拒否から怒りへ転じたり、戸惑ったりするものであるが。
 比してこの“戯言をあしらう”ような対応。
「気付いていないと思うか愚か者」
 自分の声のトーンが下がる。そして、
 出てくる。押さえ込んでいたものが全部出てくる。レムリアは感じながら言った。
 それを止める手段や言葉は、自分も含めて、相原も含めて、確信を持って誰も知らない。
「なんと姫殿下、お言葉を返すようですが……」
「私以外のクラスメートにだけ宿題がある旨電話しただろうが」
 その時、校長の青い虹彩が一瞬震えるように拡大縮小したのが二人にはよく見えた。
 青さのゆえに。青い虹彩における中心部瞳孔の黒さのゆえに。
「……姫殿下、申し上げにくいのですがそれは言いがかりというものでございます。証拠はあるのでしょうか」
「愚か者。本当に罪無き者ならそのような反問はせんわ」
 説明は要るまい。何年前か知らんが良く覚えているもんだと相原は思った。
 普通、小さな嘘や悪さは忘れてしまう。
 

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