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【理絵子の夜話】新たな自分を見つける会-22-

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 綾は確信を持って認識した。そして今、自分は守られている。
「気にしないで。だとすればそれが私の運命で使命。りえぼーが普通の女の子でいるために私がいるんだと思う」
 田島綾は即座に言った。言えた。自動的に言うべき言葉としてそれはもたらされた。
 その言葉に理絵子が目を見開いた。
「文芸部のオカルト知識が本当に役立つとは思わなかったけどね。でも、何かあったらりえぼーが助けてくれる。私そう信じてる。すごいじゃん、ファンタジーそのものの世界にいられるんだよ……ああごめん、遊び半分じゃないことは判ってる」
 隠された何かが目覚める。その時が来れば判る……良くある設定。しかし、今がまさにその“その時”が自分に訪れていると綾は自覚している。
 理絵子は頷いた。
「良く、オカルトで念力戦争ものあるでしょ。でも実際の魔物ってそういう戦争、絵に描いたようなハルマゲドン仕掛けてこない。何故だと思う?心は力で屈服しないから。肉体死は心殺さないから。心動かすのは心だから。だから、心を攻めてくる。でも、肉体と心は繋がる部分もある。薬物依存とかね。それは心も病んだ状態。肉体に働きかけて心をコントロールする。それが彼らの現状攻撃法」
 綾は理解した。一方で疑問一つ。
「すると、悪魔の目的って、何だろう?殺したり、とかく破壊にイメージが向かうけど、全部壊しても心屈服しなかったらそこで終わりじゃん。自己矛盾、論理破綻に思うけど」
「彼らはそうとは思っていない。破壊、死、残忍、何でもいいけど恐怖が心を屈服させると信じている。それにこっちが気付けば無意味、ってことに気付いていないだけかも知れないけどね。意のままにし、虐げ、管理君臨する。それらが彼らと親和性が高いのは確か。それは屈服した状態そのものだからね。だからベクトルが現状の破壊へ向かう。魂を虜とし、対価としてカタルシスを得る。とりあえずの論理はそう……」
 

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