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【魔法少女レムリアシリーズ】Baby Face-71-

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 相原の認識、去来した記憶をここに記すことは控える。ただ、そういう者達は、人権・差別というコトバを武器とし正当化している、とだけしておく。
 レムリアは相原がこれまで聞いたことの無い言葉を口にし、校長の額に手のひらを触れた。
 指をパチンと鳴らす。
「放していいよ」
 相原は校長の表情を見、変化に気付き、引き起こした。
「消した?」
「ロックした」
 このやりとりは日本語。
 校長はきょとん。立ちんぼ状態で目の前の二人を交互に見る。
「私は……。お嬢さん、突然で申し訳ないが、私に何が起こったのか私には判らないのだが。知っていたら教えてもらえないか?」
「気絶なさっておりました。家庭の事情で校長を辞する。必要な荷物を引き上げに来たと伺っておりますが」
「おお、そうでしたそうでした。どうもありがとう」
 校長はいそいそと校長室へ戻って行く。
「思惟の上書きか」
 相原は他に誰もいないにもかかわらず、小声で言った。
 他人の指示であるのに、自分の考えであるかのように思わせる。もってして、本来の目的を消去する。
「その通り。私は魔女。応じた恐ろしい、あなたに教えていない力も一杯持ってる」
「でもそれが今の日本に必要になってきたってこったろ。総合すれば」
「ええ、ただ、あなたに対する気持ちは本当」
「言わんでもええ。疑う気も無い。お前はオレの女だ」
 相原はポケットからハンカチを取り出し、校長に触れた手を拭ってから、レムリアに向けて差し出した。別に校長を出血させたわけではない。伴い相原の手に何か付着したわけでもない。
 手を清めたくなったのである。
「しかし君がいなくなると、ここへの攻撃が激化しないか?」
「人種という話では決着は付いてしまった。しかし“験比べ(げんくらべ)”という点では」
 

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