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2015年4月 1日 (水)

【理絵子の夜話】新たな自分を見つける会-25-終

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 北村由佳の中に、もはや複数の人格はなかった。再統合され、しかし以前とは異なる彼女の姿があった。
「母は……」
「あなたのためにと奔走した結果が今であるだけ。あなたの真実を理解すれば、離れる」
 理絵子は母親に手をかざし、触れた。
 母親が目を開く。我が身の置かれた姿勢状況に気が付き、翻して立ち上がろうとし、我が子と、理絵子に気がつく。
「由佳……」
「もう、必要ないよ。私、友達いるから。もう、今までと違うから」
「この……皆さんは……」
 母親は横たわる人々を眺めて問うた。
「やがて気がつくでしょう。この状況です。やっかいごとになる前に立ち去ることをお勧めします。そして二度と近づかない。早く!」
「は、はい」
 母子はそそくさ立ち上がりその場を後にした。
「結界を解けば衆目の知るところとなるでしょう。私たちも行きましょう」
 理絵子は友の手を取った。
 綾の強い目が自分を見ている。
「この手の攻撃って……気付かないだけで延々と繰り返されてるんだろうね。それこそ聖書みたいに、いろんな宗教の経典みたいに」
「幾らでも。押し返しても、消しても、幾らでも。恐らく、独立した族であり、人間の一部でもあるのでしょう。人間は生き抜くためにこいつらと取引したのかも知れない。長い原始の時代に支配欲とか破壊カタルシスが存在すると思う?どこかで生まれた必要悪。きっとそう。その対価がこの文明社会で、代償が格差社会」
 大きく動く気配を感じる。そして声が聞こえる。逃げよ、逃げよ。
 まともに相手するにはひとりでは無理。
 理絵子は横たわる人々を放置し、友と手を取りその場を後にする。
 
 数日後、世紀末ノストラダムス騒ぎで集団自殺。そんな活字が新聞の社会面に踊った。
 どうやら残った者達は絶命したらしいのである。
 黒野家に警察が来るまで長い日時は要さなかった。

 

 新たな自分を見つける会/終

 

 

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