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【魔法少女レムリアシリーズ】Baby Face-87-

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『オレが持って降りる』
「OK。レムリアは魔方陣のビジュアルを船のコンピュータに転送して欲しい。レーザで掘らせる」
 それは光の力、再び。
「はい」
 レムリアは答えた。連綿と受け継がれてきた過去と、自分自身の有り様が、今ここに、文字通り、焦点を結ぼうとしている。
 そうして自分も受け継ぐのだ。それは強い認識。王家自体は法制上無くなろうとも、この地自体は残るであろう。それは確かな直感。
「行くぞ」
 程なく大男ラングレヌスの声がし、長銃抱えて無造作に飛び降りた。王宮屋根は応じた高さがあり、傍目には“飛び降り自殺”のように見えてもおかしくないほどだが。
 ドン、と音立てて飛び降りた彼は、即座にスタスタ歩き出す。まるでロボットのような無機質さである。何のことは無い、彼は“不死身”だ。その肉体は粘土のような特性を持ち、傷つかず変形もしない。ただその代わり体温は冷たい。
「ほれ」
「あい。で、悪いんだけどついでの頼みが。ちょっとそのまま」
 相原は長銃を受け取ると、修復用のブロックを下に置き、プラズマの銃口を向け、銃を直立させた。
 数回小刻みにトリガし、その都度白い火の玉が出て緑閃石のブロックが灼熱する。
 赤熱し溶解した石の出来上がり。
「これを、そこへ押し込んで欲しいんだ」
 相原はピザの囓り口を指差し、ニヤッと笑った。
「人使い荒いぞ」
「王女の権限で」
 ラングレヌスの言い返しにレムリアが被せた。“命令”というわけだ。
 彼は巨躯の肩を揺すってひと笑い。
「しょうがねぇな。だが人命救助じゃ無いからタダではやらんぞ。相原、お前のおごりでしゃぶしゃぶ特上な」
 彼は言い、灼熱したブロックを無造作に素手で掴み、囓り口にあてがい、手のひらを載せ、そのまま上からグイと押した。それは一般に手指が火炎に包まれてもおかしくはない。されど、彼の手肌に何か変化があるわけでは無く。
 

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