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2015年7月15日 (水)

天使のアルバイト-014-

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「と、言うか、勘当ね。一種の。追い出されたの」
 エリアは言った。半分はウソであり、後ろめたいので、つい目を伏せる。
「ひっど~い!」
 果たして、エリアの言葉に、由紀子が大げさなほど大きな声で応じた。
「何で追い出すの?あなたみたいな素敵な女の子」
「素敵……」
 エリアは恥じ入る気持ちにでうつむいた。自分はそんな形容詞を付けられる存在ではない。“力”使ってテストをカンニングしようとした卑怯者。
「どうしたの?」
 うつむいたままのエリアを由紀子が覗き込む。
「ううん、ちょっと……」
 泣きたくなる。リテシア様の言葉が身に染みてよく判る。自分には“守護者”になる資格などないのだ。いやむしろ、こんな奴が守護者に付いたら、付かれた人間さんの方が可哀相だ。
「ねえ……私何か悪いこと言った?」
 心配げに訊く由紀子に、エリアは首を横に振った。
「大丈夫」
 顔を上げる。そのことを思い知るべく自分はこの地へ来たのだ、とエリアは納得する。ここで反省し、まず“人型生命体”として、“人格”を磨けと。
 由紀子が笑顔になった。
「ああ。良かった。それで相談なんだけどね」
 由紀子が切り出す。エリアは擂りリンゴをスプーンにとって彼女を見る。
「うち……不動産屋で、アパートに空き部屋があるの。家賃払うなら貸してもいいって母親が言うんだけど、どう?」
 エリアは目を剥いた。
 人間の言い回し“渡りに船”とはこのことを言うのだろう。それとも、これはリテシア様の差し金なのだろうか。
 どっちにせよ、家なしの彷徨い者としては、お言葉に甘えざるを得ない。
「……いいの?私なんか」
「うん。世間はどう言うか知らないけど、コドモの立場としては、コドモ追い出すような親の元にコドモ返したくないんだよね。なまじ家で不幸になるより一人で幸せを掴め、と。これは母親と意見が一致。……ところで歳幾つなの?」

(つづく)

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