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天使のアルバイト-015-

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「え?」
 エリアは訊き返す。質問の意図が判らない。
「というと?」
「18以上ならアルバイト紹介するし、そうでなければ“家事手伝い”で店を手伝ってもらうし」
「ああ」
 エリアは頷いた。しかし何と答えよう。実は百五十年以上生きているが、まさかそのまま言うわけには行くまい。
「19」
 エリアは答えた。そう答えた理由はひとつ。アパート貸してくれるという言葉には甘えるが、せめて生活費くらいは自力で得たいからだ。“家事手伝い”では全ておんぶに抱っこ。
「あそ。判った。え?19?私より2つ上?」
「え?うん、まあ……」
 目を円くする由紀子に、エリアははにかみながら答えた。年齢相応に見えないのはある意味当然。人間さんの“天使の見えかた”に従うなら、“若い女”という至極アバウトな身体であるに相違ないからだ。
 と、思って気付く。由紀子ちゃんも17歳。
「ふーん。大体似たような歳かなくらいには思っていたけど……そうかあ、そうすると“エリカさん”て呼ばなきゃいけないかな?いや“エリカ姉さん”かな?」
 由紀子が首を傾げ、うーんと唸るが如く、少し真剣そうに考え込む。
 そのセリフと仕草にエリアはフッと力が抜け、笑った。
「いいよ今まで通りで。お友達会話……タメ語って言うの?それでいい。堅苦しいことなしで」
 エリアは言った。もう“本来の自分”は意識しない方が気が楽だ。“人間”として見聞きし、振る舞った方が、自分にはしっくりなじむ。だから、否、それであれば当然、名前は“エリカ”でいい。エリアという名は……そうなる日が来ればであるが……戻れる時に堂々と名乗りたい。
「やっと笑ってくれたね」
 由紀子が笑ってウィンクした。
 エリアはハッとした。そういえばここに“落ちて”から、楽しいと感じたことは今までなかった。
 

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