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【魔法少女レムリアシリーズ】転入生(但し魔法使い)-09-

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 なのだが、自席に到着して黒板側へ姿勢を変えたら、目線はクモの子散らすように去った。まるで見ていたとバレたら困るが如く。要は、見ていた各人目を逸らしたのである。
 スカート手を添えイスに座る。その所作は彼女の意図せぬところで、風が舞い降り、吹き広がるような雰囲気を作る。
 この間、教室は無言。
「あ、あの……」
 おずおずといった感じで、隣席、その女の子が声を出した。
「はい?」
「判らないことあったら、訊いてね」
 制服の胸元名札には“溝口”。
「ありがとう、溝口さん」
 微笑みで返したら笑顔が咲いた。
 学生カバンから教科書ノート一式取り出して机の中へ。1月7日金曜日。3学期オリエンテーションと午前だけ授業。
 3学期は短いので定期テストは期末1回、3月上旬。終わって3月11日お別れ遠足。場所は東京と名は付くが所在千葉。ネズミのキャラクタで人気のテーマパーク。
 総員喝采。が、事前料金徴収があると聞かされて総員“え~”。
 そして、3月18日卒業式で、彼女ら2年生は準備から片付けまで主体的な活動必要。
 以下、委細は略すが、彼女はやりとりから色々必要なこと抽出して、制服胸元のポケット“生徒手帳”取り出しメモしていった。学級委員がいて生徒会委員がいて、各人当番制で色々“係”がある。係は主として清掃と給食。日本では生徒が自ら、自らの居場所を清掃する。聞いていた話と合致して頷く。なお、世界的には、公共施設の清掃になることから、清掃業者が行う方が多いようだ。ちなみに、この間隣席の溝口がじっと彼女を見ていたが、彼女は気付いていない。
「何か質問は。特に相原さん」
 自分のことだと認識するのに数瞬要する。まだ“相原姫子”に慣れてない。
 この数瞬の間に溝口は視線を外す。
「あ、はい」
 

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