【魔法少女レムリアシリーズ】転入生(但し魔法使い)-14-
それは二人同意した話。って中学生に刺激強すぎないか?
反応はこうだった。
「濃いぃな」
濃いって何だ。そして。
「すげー。何それマジすげー。婚約済みってこと?」
「うん」
レムリアは頷いた。
「何年付き合ってるの?」
「もうすぐ2年」
「それでその歳で結婚てすごくね?それとも同い年じゃ……」
「ううん、自分タメだよ。みんなとおんなじ14歳」(タメ:同い年の意)
おおー。という感嘆の意。
「一気にそこまでってすごいね。あーでもあれか。先生と生徒の恋とか、たまーにあるのと一緒か。ステキかもね。はーあ。自分恋愛経験ありません。この組ガキしかいないので」
薮原が皮肉を言ったら男子軍抗議。
「おめーみてーなやかましー女、こっちから却下」
「エロしか興味ないくせに」
「エロのかけらもねぇ奴に言われてもな」
レムリアは笑った。
「あ、ひど!」
「違う違う。あたし通信制で“教室”って経験無いからさ。こんな楽しいもんだったのかなって」
この物言いにはウソがある。厳密には当初学校に行った。
しかしクラスメートは王族の娘と距離を取った。要は無視系のいじめなのだが、首謀したのは教員であった。実質異国の勢力であり、王権対抗のため、子供のうちから洗脳しようという企みの一環であった。彼女は超常の感覚で攻撃を感じ取り、逃げるように故国を離れ、身分を隠してオランダ・アムステルダムへ出た。そこでフリースクールに入ったのである。
そうした背景から“王族”を表に出すのはある種のトラウマ。なので極力避けている。
「へーそーなんだ。自分も転入生ってもっと恥ずかしがって控えめってイメージあったけど……なんか、すごい。溶け込み方が、何だろ、魔法みたい。保育士とか看護師とか凄く相性良さそう」
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