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天使のアルバイト-033-

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 すると、日焼け顔の若い男性……追ってたこ焼き屋の兄ちゃんと判る……から拍手が起こり、波のように広がってやんやの喝采。
「美人歓迎だと」
「ど、どうも………」
 照れて仕方ない。
 開店する。いわゆる朝ラッシュに重なるこの時間のお客さんは、出勤前に朝や昼用の弁当を買って行く、或いは犬の散歩がてら今日の買い物、そんな感じである。エリアは主として弁当の陳列を手伝った。
 客層からして常連が殆どであり、何か訊かれたり、と言うことはなかったが。
「新人さんかい?」
 と3人ほどに声を掛けられた。
 不思議なもので、店長と練習した限りではどうということはなかったのに、いきなり声を掛けられると“上がる”ものだ。
「え?あ、はい。よろしく……」
 ぺこっと頭下げるのが精一杯。が、その間に客の方はもういない。それは客から見れば誰もがみんな“店員さん”であり、人対人の初対面ではない……と、判ったのはもう少し後のことだ。ただ、初の“接客”が、そうした簡単な会話からのスタートで、客の側も手慣れていたのは、徐々に馴れて行くという点からは、エリアにとって良かったと言える。
 そのせいか、“通勤弁当組”が一段落付く頃には、品定めに迷う客に、今日の売れ筋を説明できるほどになった。
「あんた、スジがいいわねぇ」
 とは、その弁当造りの張本人である総菜担当のおばちゃん。
「そのさ、そっと添える笑顔がとってもいいよあんた。大事にしな」
「あ、はい。ありがとうございます」
 厨房に戻るおばちゃんに頭を下げる。ちなみに、笑顔は別に作り笑いではなく、喜んでもらえたのが自分でも嬉しいから勝手に出たものであるが。いいというなら無理に押し殺す必要もあるまい。
 そこへ店長。背後から肩をぽんと叩かれ。
 

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