【魔法少女レムリアシリーズ】転入生(但し魔法使い)-16-
「あーそれ聞いたことあるぜ」
とは宮越(みやこし)という男子生徒。
「日本の援助って金に飽かせてって奴が多くて、便利だけど使いこなせないとか」
「それどういうこと?」
「地下水のポンプを援助とか、良くニュースでやるじゃんよ。だけど機械だから手入れがいるじゃん。でも手入れできる技術者がいないんだよ。故障しても直せないし。だから最初だけ便利。そのうち壊れると分解して売り飛ばすんだってさ。相手のこと考えた援助が出来ない」
レムリアは頷いた。“日本の援助”は貧困地域に沢山なされているはずだが、援助結果の現品を見たことが無いのだ。
売り飛ばされていたなら納得である。フィルタ詰まり程度のことであっても、多く現地の人に知識は無いし、フィルタ自体も入手できない。そこ行くと同じ日本の防疫用品でも、“蚊帳”は、ほつれを手直しできる上、類似品を作れる。伝染病が蚊によって媒介される地域には良く持って行く。
「それはダンナ候補も言ってたなぁ。『プラント作って誰が管理するんだ』って」
レムリアがそう応じたら“ダンナ候補”に話題は移った。
「どうやって知り合ったの?」
自分が空から降り立って拉致被害者の少女を託した……なのだが、さすがにそこは言えないであろう。空から女の子が……それこそ日本のアニメみたいではないか。
ちょいウソ。
「秋葉原で目の不自由な女の子を一緒になって手伝ったことがあるんだ。まあそこから徐々に」
「アキバってロリコンとか多そうだけど」
「確かに変なのいたけどね。むしろ彼が一緒にいてくれて心強かった。へぇ男の人と一緒ってこういうことか、みたいな」
惚けのつもりで言ってみたら。
「相原さんオレと一緒にアキバ行こうぜ」
それは先ほどの平沢。復活、と言わんばかりに胸張って歯を見せる。
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