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【魔法少女レムリアシリーズ】転入生(但し魔法使い)-42-

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 中学生相手に性行為という意味でのセックスという言葉が極めて強いインパクトを持つことは百も承知。だが逆に女としてそれでよいという保証になることもまた確か。
 少なくともセックスしたいと思わせる肉体の持ち主は、メスとして魅力的である証し。
「だから、自分がされてイヤなこと人にもするな。大桑さん」
 大桑は一言も発すること無く、座ろうとした。
「あ、待った。溝口さんに言うことあるんじゃ?」
「……ごめんなさい」
 これでバトンは溝口。
「いいよ。隠してコソコソしてた私も悪かったし……でね、あの、聞いて欲しいの。彼女と、相原さんと喋ったこと」
 船のことを?レムリアは一瞬ギョッとしたが。
 
 
「相原さん、外国にいた頃、怒ると肌の色が変わってしまう男の子に会ったそうです。彼は、ちょっかい出されて、怒って肌の色が変わるとゲラゲラ笑われる。そんないじめを受けてました」
 それは船で出会った彼のこと。だが、
「相原さんは男の子とずっと一緒に居て、ずっと話を聞いて、我慢できないことがあったら孤児院へおいで、と言ってあげたそうです。そこに自分も行くからって。男の子はしばらくは、孤児院へ来たそうですが、そのうち来なくなりました。『我慢できなくなったら行けばいいや』なので、多少ちょっかい出されても我慢できるようになったそうです。すると、相手は、幾らちょっかい出しても怒り出さないので、つまらなくて、やめてしまった。私それ聞いてすごいなって思った。そして気付いた。誰かと違うと知ることは、違うことの痛みが判ってあげられることなんだなって。それ、そういう子の味方になれるなって」
 溝口は多少置き換え、そして、彼女自身の気づきを加えて話した。
 これに瞠目したのが二人の教員なのだが、レムリアを含めて、生徒達は気づいていない。
 

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