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天使のアルバイト-061-

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 どっと疲れが出てへたり込む。自分に出来ることは全てやった。あとは医療機関に任せ、無事を祈るより他ない。
 託します。
「ふぅ」
 店長のため息。
「あのバカ女……エリカちゃんにはひとことの礼もなしか……」
 サイレンの音が消えてから、彼は腕組みしてゆっくり言った。
 そして、エリアを見る。
「しかし……君は不思議な女の子だな。どんなに泣いてる子も君見ると泣きやむし、瀕死の子供も救っちゃう……」
 その時。
「あのう……」
 声を発したのは、最初に店に駆け込んできた女性。
 エリアと店長が彼女を見る。
「あのう……」
 女性は何か言いたげなのは判るのだが、どうやら二の句が継げない。
 店長がそばへ行く。
「どうしました?。何か精神的にショックを受けたなら、店員休憩室でよろしければ……」
「いえ……」
 店長の申し出に首を左右に振る。そういうことではないようだ。
 女性はちょっとうつむき、少し考えるようにし、再度顔を上げ、エリアを見、そして。
「あなた、ドアロックどうやって開けたの?」
 エリアは最初何を言われているか判らなかった。そんなこと微塵も考えることなく、何の疑いもなく、ドアは開くと信じていたからだ。否、ドアが開かないなどとは思っていなかった。
 ロック…そういえばそう言われていた気がする。
「え……はぁ……」
 どうやって開いたんだろうと考える。“力”があれば容易だが、封印されているはずである。“上位”の誰かが力を貸してくれたのか、それとも……。
 女性の目から涙が一粒。
「あなた……ものすごく一生懸命だったの私判った。だから、あの……こういうこと軽々しく口にしていいのかどうか判らないけど……私、これ、奇蹟……が、起きたのかなって」
 女性は言った。そして、
「確かに彼女、店長さんが言うように不思議な娘さんだし、泣いてる子供が急にニコニコし始めるの見たことあるし……」
 

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