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アルゴ号の挑戦~東北地方太平洋沖地震~【魔法少女レムリアシリーズ】-014-

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 これは一般家庭においても同様である。特に停電した場合、ケーブルの切断やショートに気づくことが出来ないので、電力復旧と同時にそれらから火を噴く。復電火災という。電気ストーブやこたつのような加熱機器も同様。落下転倒が多い場合、一旦メインのブレーカを落とし、可能な範囲で電気ケーブルの状態を確認されたい。
『なるほど』
 男性はため息混じりに答え、
『……判った。了解した。指示するよ』
 ここで一つ余震が起こる。東京の震度は2。電話の向こうはただちに、と言いかけたところで切れた。
 執務室は戻ってきた社員らがどよもす。
「おお」
「これは収まらんぞ」
 彼達は次々ヘルメットを被り始めた。
 相原のPHSが着信した。呼び出し音の鳴り方は外線。
 発信者はレムリアであった。

 

※恒温槽:高温・低温・高湿度など極端な環境を実験するための密閉室。家庭用冷蔵庫サイズから体育館ほどの大きさのものまで様々

 

 

 14時46分。彼女の方である。遊園地内の池で行われているショーを見ていた。
 アニメキャラクターの着ぐるみによる海賊退治である。ドクロの旗を掲げた海賊船があり、周囲を巡るように水上スキーをしたり、噴水などいわゆる水芸を混ぜたり。
 関東地方に携帯電話向け緊急地震速報は出ていないので、その場にいた他の観客も含め、その情報を最も早く得たのは彼女の携帯であった。ウェストポーチでバイブレーション。
 彼女は最初、同じ班の誰かのメールと思ったが、班の仲間達とは一緒にいるので、呼び出すなら救助プロジェクトか相原家のどちらか。
 表示された発信アドレス。
「ダンナだ」
 しかも携帯からではなく職場のアドレス。彼女は緊急性を感じてメールを開いた。
 massive quake.protect yourself and friends.

 

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