アルゴ号の挑戦~東北地方太平洋沖地震~【魔法少女レムリアシリーズ】-015-
「地震が来る」
「え?警報?」
「自分の鳴ってないけど」
めいめい自身の携帯電話を開いて確認。
周囲で自分の言動を聞いた一般客も、いぶかしげに同じ行動。何も無いと知りじろりと睥睨。
「ダンナのパソに凄いの入れてあるんだ。それでメールくれたと思う。えーとね」
・壁やガラスと距離を取れ
・背を低くして頭を守れ
・火を消したら距離を取れ
・揺れが怖けりゃ足踏みを
七五調に整理されたそれを彼女は唱えた。
それは前述の通り、宮城県沖地震が間近いと思われたこと、今後の危難として首都直下地震、南海トラフなどがあることを踏まえて、日本で生活するに当たり最初に言われたこと。
彼女自身は深発震度4というのを日本で体験したことがある。ただそれは距離1000キロ地下700キロからの地震波であって、前述の相原側で言うなら“長周期”だけを体験した形。
(現物例:2015年5月30日・小笠原沖M8.1)
もちろん救助活動には大地震の被災地もあり、そこで余震に遭遇したこともある。ただ、それらは気象庁震度に置き換えてやはり4レベルであり、時間も短い。
揺れ出す。一様に揺れに気づいた声。
「あ、来た」
「なんか一昨日と同じ感じ」
「しゃがんでしゃがんで」
彼女は教えられた通りしゃがみ込んだ。周りの観客は立ったままざわついている。
ショーは継続。水の上では揺れに気付きにくいというのはある。
「なんかウチらだけしゃがんでバカみたいなんですけど」
班員の一人、薮原(やぶはら)という娘が苦笑。
初期微動40秒。その間先んじて“学校の避難訓練”の様な格好していればさもあろう。周囲に比して過剰に過ぎる、ように見える。
バイブレーション再び。
“warning MEGAQUAKE about 3-5min shake.”
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