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アルゴ号の挑戦~東北地方太平洋沖地震~【魔法少女レムリアシリーズ】-022-

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 戻る。衛星を発呼し数秒、相手が出た。
『来ると思っていましたレムリア。大きな地震のようですね』
 ハープを思わせるきらびやかな女声の応答。英語である。以下、レムリアも同じく。
「ええ、アルゴ号しか無かろうと思います。学も了解済みです。彼には地上側を頼みました」
『判りました。今各員招集中です。3分くらいで向かえると思います。船は……遊園地のようですが差し向けてよろしいですか?』
 アルゴ・ムーンライト・プロジェクト。高速飛行帆船アルゴ号を使った地球規模の極秘人命救助隊。
 極秘。その故は使う道具とメンバーの超常的能力による。軍事的に標的・簒奪の対象になりやすく、そして科学の常識を覆す。ゆえに危難パニックにある人に狂気を招聘する可能性を有する。
 しかし、この場所、恐怖する子供達もいる状態。何より説明せずとも百聞は一件のしかずの説得力を持つこと。ならば。
「構いません。透過シールドも不要です。燃料はフルチャージではないはず。極力抑えましょう。中に池があります。そこに下ろして下さい。本船で一瞬でも子供達の気が紛れればそれも一役」
 レムリアは言った。
『そういうことですか』
「ええ、じゃぁ、お待ちしてます」
 電話を切る。
「みっちゃん」
 田立のこと。
「……何?」
 涙止まらず。
「おばあさまの住所を、あと、写メがあったらここに書くアドレスに送って。探すから」
 生徒手帳のメモ欄を切り取り、ペンを走らせる。
「探すって……」
「救助隊のコンピュータ使って画像認識システムに掛ける。道行く人や防犯カメラのデータ拾って比較が出来る」
 メールアドレス書いた紙を渡し、生徒手帳をウェストポーチに戻し、耳栓の様な機械を取り出して耳に押し込む。救助隊の機械である。

 

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