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2016年10月12日 (水)

天使のアルバイト-079-

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 母親が店長におせちの重箱を渡し、代わりにハガキを店長から受け取る。そしてその脇を、一升瓶片手の父親がいそいそとすり抜ける。
「えー……あらエリカちゃん。こういうの……どう言えばいいのかしら」
「え?」
 モチをくわえてびよーんと伸ばし、由紀子とその長さを比べて遊びながら、エリアは答えた。
「というと?」
「いや、あのヤクザ屋さん。肝硬変と糖尿病が見つかってそのまま入院だって。あれでもたった一人の息子です。入院させていただきどうもありがとうって」
「……はあ」
 エリアはモチを飲み込んでからそれだけ言った。あの時内臓疾患と感じたのはやはり正しかったか。
「全く、これで彼女に命救われたの何人目だい」
 店長が言った。
 エリアは店長が何を言おうとしてるか悟り、すぐさま唇に指を当てて“しーっ”とやった。
 しかし、店長は液体燃料が既に奏功(?)。
「全く不思議な女の子だよ」
 店長は洗いざらい喋ってしまった。加えて巫女のバイト中、境内の迷子を全部世話したことも喋ってしまった。
「ホレ、ウチの店で、泣いてる子に彼女が微笑みかけると泣きやむって話しをしたろ?同じなんだよ。迷子を彼女のところに連れて行くとおとなしくなる。安心して寝ちゃうんだぜ」
「由紀子も元気になったしね」
 母親が付け加える。
「……そうかな」
 疑問を呈したのは由紀子。
「こうやって風邪引いてますけど」
「そうは見えないね。……熱測ってごらん」
 母親に言われ、由紀子は耳穴用の簡易体温計を耳にあてがう。
「36・2」
「それごらん」
「うそ……だって朝まで8度……」
「あんたのは恋煩いだよ。エリカちゃんに恋してんの。だから彼女が来たら治ったのさ」
「はあ?」
 と、そこで父親が。
「でも…由紀子は確かに元気になった。ちょっと前までとてもドライブなんか行ける状況じゃなかったからな」
 

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