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アルゴ号の挑戦~東北地方太平洋沖地震~【魔法少女レムリアシリーズ】-044-

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 その間にラングレヌスは女性を背負ってハシゴを登ってきた。83名目。
『施設内部は12名。捕獲座標を端末送信。屋根の2カ所を切るので内部へ進行せよ』
『了解!レムリア頼……いやいい、副長に任せる』
「判りました」
 レムリアはタブレット画面にセレネの姿を確認する。ラングレヌスが運んできた女性を保持ユニット内で迎えている。
 息が続くまで我慢……を通り越し、失神したのであろう。ともあれ、セレネが受け手で動いてくれるなら、自分が今行く必要は無い。なおこの間、屋根にはレーザで穴が開けられ、直下のフロアへ入り込める状態。
 その時。
「あの……」
 下半身ずぶ濡れの女性に声をかけられた。
 小学校の養護教諭という。肩からベルトでAED装置を下げている。
「私で良ければお手伝いできますが……」
「頼んでよろしいですか?」
 レムリアは言った。気遣い躊躇いするヒマはない。
 生きている人は今は戦力。
「ええ、もちろん」
「ありがとうございます。副長、養護教諭の方にお手伝いいただけます……そこの階段を降りて右手です。ミニ病院みたいになってるところがあります。そちらへお願いします。我々は生命保持ユニットと呼んでいます。この無線機を耳に。船長、私動けます」
 ポーチの中から耳栓型の機械を女性に手渡す。
『了解。現在我々が建物内部を捜索中。6名は心肺停止。6名を救出する。ベッドごと釣り上げる。両弦よりリフト用意』
「判りました」
 タブレットを操作する。舷側にはワイヤのウィンチがあり、ベッドごと吊り上げ、可能である。
 少し人手が欲しい。下でウインチのフックをベッドに引っ掛ける者。上でウィンチ操作する者。
 レムリアは甲板に声を発した。
「男の子二人!これとこれの上下操作を頼める?ボタン押しだけだから」
 両舷のキカイを指さすと、即座に挙手あり。

 

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