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アルゴ号の挑戦~東北地方太平洋沖地震~【魔法少女レムリアシリーズ】-045-

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「お願い。それからあと3人、私と一緒に来て欲しい。ベッドをワイヤにくくるんだ。」
「それなら私が!」
「オレも」
 女の子二人と男の子一人。一緒に甲板から下へ降り、更に伸縮ハシゴに掴まって暴風の屋上へ降りて行く。ちなみに暴風は上から下へ吹くエアカーテン状に制御されており、屋上へ降りた風は外へ吹き広がる。カーテンの内側は立ち歩くのに不自由はない。
 大男二人がベッドを運んで建物の中から上がって来た。
 ベッドの上にはお年寄りの女性。酸素スプレーを口にあてがい。
『レムリア保持室の前へ』
 セレネの声が聞こえ、舷側の扉がスライドし、開いた。
「了解です。みんな、ワイヤの先がリングになってるでしょう、そこへベッドの足を通して」
 大男が体力に物を言わせてベッドを持ち上げ、その間にレムリア達4人でワイヤ先端の吊り輪をベッドの足に通した。
 ベッド両脇の柵を起こして転落防止。
「ウィンチ上げて!。下に女の人がいるでしょう。その女の人のところで停止!」
 彼女は甲板の男の子に指示した。保持室……生命保持ユニットは船倉部に作り込まれており、レムリア達のいる屋根上と甲板の間に当たる。
「判りました」
 ウィンチが動き出す。任せて良かろう。右舷側でも同じく引き上げ準備。とはいえ既にワイヤのリングが通っている。
 左舷側ベッドが上昇し、扉の開いた保持ユニットの前で停止。そこにもいつの間にか3人ほど児童が来てくれ、お年寄りを4人がかりでユニット内のベッドに担ぐ。
「ありがとう、ベッドごと下ろして」
 ベッドをそのまま搬送機に使う。要領が判れば後は動いてくれるだろう。レムリアはハシゴに手を掛け、生命保持ユニットへ向かおうとする。
 その時。
「お姉ちゃん!」
 甲板から危難の声。同時にイヤホンにピン。

 

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