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アルゴ号の挑戦~東北地方太平洋沖地震~【魔法少女レムリアシリーズ】-048-

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『そのまま二重丸を維持しろ。2秒で発砲』
 漁船が動き、丸と丸が重なる方向、画面にカウントダウン。足を前後に開き、銃把を両手でしっかり掴んで正面に引き据え、肩当てを胸骨に密着させ、指をトリガに。液晶画面で照準するので首を傾げてスコープ覗く必要はない。
 発砲する。プラズマガンは要するに火の玉を射出するが、その際急激な空気膨張を起こす。その圧力を集積し、飛翔体を発射するのがこのランチャーである。
 爆竹破裂するような音がして火の玉が出、同時にハーケンが尾を引いて流れた。火の玉を出す、すなわちロケットエンジンを一瞬発火するようなもので反動が凄いが、船の柵に載せてあるので身体に感じる衝撃はない。
 精密誘導の如くハーケンがワイヤを引いてベルマウスに投入される。
 チェーンに比して糸とすら表現できそうなハーケンのワイヤであるが、軽量頑健なカーボンナノチューブである。なお、ワイヤは伸縮性を持ち、細くなりながら伸びて行く。
 イヤホンにピン。
『無線でもモールスでもいい。“おやしお丸”は本船が捕捉した。現下の救助活動終了後、安全な場所まで誘導する。送れ』
 相原の指示。とはいえ、船のコンピュータが彼の指示に従うようにプログラムは済んでいる。
 イヤホンにピン。ドクターシュレーター。
『おやしお丸より返電。貴艦の対応に感謝する。救助活動に手伝える内容はないか』
 レムリアは割って入った。
「心臓の悪い方が数名いらっしゃる。AEDを搭載していればお借りしたい。送れ」
『救助完了』
 ラングレヌス。これで船内は生存89。犠牲6。
 甲板から下を覗くと男達がウィンチにぶら下がり、帰投中。
 相原からピン。ピン二発は緊急。
『引き波に変わる。がれきが流れ出してくる。内奥の火災がこっちに来る。漁船は吊ったままで飛べないか?』

 

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