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アルゴ号の挑戦~東北地方太平洋沖地震~【魔法少女レムリアシリーズ】-071-

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 ロクなことじゃない。ベッド下から這い出したレムリアのイヤホンにピン。同時に、操舵室最上部、船長席にLEDランプ点灯。
『レムリア。何かあったか』
 船長が通信機経由の小声で寄越す。
「ダンナから。本船に外部から船が近づいていると」
『ハッキリ言う。火事場泥棒。武装盗賊の懸念あり』
 かぶせてきた相原の言葉にイヤホンにピンが2発聞こえ、船長が動き、ピンが2発返ってきた。
 返してきたのは甲板上の大男二人である。徹夜の監視だ。
『私だ。相原より入電。内容につき真偽確認願う』
 即座に船長が指示。
『聞こえた。甲板からは山林のため見通し不良。第二マストより確認する』
 アリスタルコス。
『シュレーター。ビーコン動かして良いか?』
 続く船長の問いかけに、ピン2発が割り込んだ。
 ラングレヌスだ。レムリアの液晶にも彼の目線カメラ表示。
『船長。舟艇を確認した。一見漁船だが腹ばいになって乗っている者あり。全身黒ずくめ。刀剣類所持。明らかに避難者でも救援者でもない。方位324より上陸と推定』
『上陸拡散されると手間だ。上がる前に仕留めろ』
『アイ。ドクター火器管制許可願う。多点ターゲティング使う。プラズマ照明弾用意』
 火器管制。それは武器と照準、妨害装置のコントロール。
『許可する。レムリア、保持ユニット機能制限良いか。灯火管制』
『いずれの機器もレベル1以下で使用。大丈夫だと思います。ユニットは船内に格納されており灯火漏洩無し』
 現在、大電力を消費して動いている機械はない。正確に言うと心電図モニタをしているお年寄りがあるが、薬を投与して落ち着いてきたのは見えていた。
 問題あるまい。
『防御せよ』
 タブレットに赤文字が出る。防御モード。火器管制。

 

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