アルゴ号の挑戦~東北地方太平洋沖地震~【魔法少女レムリアシリーズ】-087-
なお、クエンチ(quench) とは、超伝導状態維持不可能を意味する。大出力のレーザ装置であり、電気抵抗を抑えるために超伝導状態を使っているほか、装置の冷却のために液体ヘリウムの温度を要求する。その液体ヘリウム温度の保持時間が5分ということだ。
(※当初の:相原は過去この船に乗り組み、秋葉原での不時着に居合わせ、船を現在の勤務先に修理のため持ち込んだ。そのとき外したパーツ等に基づいて復原している)
「GMサイクルは生きてますか?」
相原はBishamonとロゴされた台車を引っ張り出しながら尋ねた。
(Bishamon・参考)
「止めてある。再起動して最終温度がヘリウムに達するまで半日はかかる。それまでこのユニットは……」
「持ちます。このまま突っ込んでハイドロのコイル動かしましょう。アルゴは遅くても動いて価値あり……レムリア、こっちはこっちでやっておくからいいぜ」
「え?あ、うん」
レムリアは医師を待ちぼうけにさせていたと気づき、生命保持ユニットへ案内する。
船の方々をレントゲンでチェック。心肺や内臓の機能を確認。傷のある方には破傷風の予防注射。
カルテを起こす。
「船の皆さんは健康だ。なるほど。であれば、この船を病院船に使いたいな。あと、姫君は出来れば放射線技師の資格を取って欲しい」
医師は言った。
「そのためにエンジンを復活させようとしてるみたいです。際してはお手伝い頂く形になるかと。あと、私は正式に日本に帰化しまして、必要な国内資格は取得の所存です」
レムリアは応じた。
「帰化?本当かね?」
「ええ、甲板の冴えない男がやつがれ……あ、ちょっと失礼」
イヤホンにピン。セレネ。
切迫感
「はい、何か……」
『トレーサー001。こっちへ来ますよ』
遺体や空き家から金品宝石を奪い、体内に隠していた異国の女である。
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