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アルゴ号の挑戦~東北地方太平洋沖地震~【魔法少女レムリアシリーズ】-089-

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 だから、この女追い出すにも催眠よりは恐怖心を与えたつもりだったのだが。
 すると。
『数分も効けば充分だ。目の前の穴さえ感じなければいいんだ』
 それなら。
「わかりました」
 レムリアは頷いてピンを送った。
 すぐに船長から全員へピン。
『乗船者を操舵室へ案内し施錠せよ。銃器は甲板に据え、固定トリガで船の迎撃システムに任せろ』
「了解」
 船の内外にいた人々を避難させるのはわけもなかった。武装した強盗団が来る。の一言で足りた。パニックにならず、サッと順序よくスムーズに動いてくれるのは国民性か。
「おら達も手伝うか?」
 漁師だという男性が一言。
「いえ、今回の相手は銃器です。我々にお任せを」
 14の娘が背よりもデカい機体をガチャンコ言わせて答えるセリフかどうかはさておき。電源オン、使用者認証、視線照準同期中……。
「そう言うとは思ったけどよ。おめえさんたち、ずっとここにおられるわけじゃあるめ?おら達はおら達自身で守るよ」
 だから、今後に備えて相手を見ておきたい。見張りの位置検討や死角の洗い出しも必要。とのこと。
 聞いていたであろう船長からピン。
『拳銃弾くらいなら手持ちで避けられるだろう。レムリア、案内を』
「わかりました」
 武器庫にあった取っ手の付いた透明アクリルの盾を持ってもらい、甲板へ。
「おお、このプラスチックで防弾かい?」
「映画みてえだな」
「撃たれます。あちら向きにして背を低く」
「おお、すまん」
 その間に乗組員は銃器を並べる。船首にFELとプラズマ、レーザ、レールガン。いずれも甲板柵上に並ぶ柱の頂部、一見すると意匠の一部に見える球体が銃座になるので、そこに銃底をドッカとはめ込み、手先を添えて支えるだけ。
 質量のあるFELとレールガンは大男二人が、レーザは相原が、プラズマはレムリアがトリガを持った。

 

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