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2017年4月22日 (土)

アルゴ号の挑戦~東北地方太平洋沖地震~【魔法少女レムリアシリーズ】-091-

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『第1マストで蓋をしろ』
 船長指示で大男二人が銃を置いて動く。二人がかりでマストを抱きしめるようにして持ち上げ、帆膜の向きを変え、甲板柵の上から船外へ捨てるように投げる。マストは倒れるが、帆膜が風圧を受けるため、ゆっくりと傾く。すると、動きがもどかしいのか男達はその上に飛び込んで自分たちの体重を使って加速し、最後一陣の風を起こして帆膜を一帯にかぶせてしまう。
 薄いがそれなりの質量と“気圧”のため、並の人力で帆膜を持ち上げるのは難しい。押さえつけられた状態となり、人の形がもがいているのが判る。文字通り“一網打尽”である。
『7名を捕獲』
『遺体ザックに入れて首だけ出して埋めておけ』
 アルゴ号は救助が目的だが、当然、間に合わず、という場合はある。そうした時に備えて人体を包むザックを幾らか保有している。
 後は力任せの大男達の仕事。帆膜を縮めながら、出て来た順に袋を被せ、手足を拘束すれば何も出来ない。レーザガンを使って底を切り開き、頭だけ出す。
 帆膜の折りたたみが完了し、男6女1の砂に埋まった生首状態である。
 レムリアは首だけ女の前に立ちはだかった。異国語で何か喚くのを平手打ち。内容上は蹴り飛ばすに値したが。
 もっと怖いこと出来る。
〈全部追跡していると言ったはずだが?〉
 テレパスで叩き込んでやる。女は絶叫した。
 否発狂した。泣き喚き、首千切れるかと思うほど振り回し、地面に打ち付ける。砂地なので傷つくことは無いと思うが、繰り返せば砂が呼吸器に入って窒息しよう。
 それ以前にやかましい。
 大男に頼んで振り回す首っ玉拘束してもらい、額に手のひらを当てて失神させる。むち打ち症用のカラーをあてがい、今度こそ文字通りさらし首。
 男6は殺したと受け取ったようである。詰め込まれた袋の中で失禁している。

 

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