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アルゴ号の挑戦~東北地方太平洋沖地震~【魔法少女レムリアシリーズ】-096-

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「レムリア生命保持ユニット。監視権限移譲します」
 自分もピンを送る。操舵室における自分の責務は監視システムのチェックと、各種超感覚を駆使した周囲の監視だが、今はムリ。委譲すなわち“誰か頼む”。
『判りましたレムリア。相原さんとわたくしで分担します』
 セレネから答え。
 やりとりに医師が目を見開く。
「映画みたいだな」
「船を動かします。普通に海上航行になるかと思いますが、しばらくは指示に従って頂きたく」
「了解!」
 医師は敬礼をして応じた。
 再度操舵室。
「レムリアピン有り了解。総員及び乗船者各位、これより本船はミッション実行準備を行う。相原翻訳せよ」
「はい」
 船長の物言いは英語である。相原の耳には日本語訳で届いている。
 相原は立ち上がり、ひな壇状になっている操舵室を振り返った。
「皆さん、これから船のエンジンを起動し、動かします。そのままの位置で結構です。船長どうぞ」
「了解。各員担当システム状態について喚呼報告せよ。シュレーター。電源確認」
「制御電源安定。主電源準備ヨシ」
「ラングレヌス。機関状態」
「ギフォード・マクマホン・サイクル動作正常。液体窒素温度70ケルビン。INS(いんす)予冷装置電源断。燃料反水素容量2パーセントチャージ。残容量20パーセント読替設定」
「アリスタルコス。防御システム」
「光圧シールド電源断。作動させますか?」
「作動しなくてよし。断のまま航行する。副長PSC状態報告」
「PSCシステム健全。主管制と通信成立」
「各員了解。船体制御系全準備状態確認。起動シーケンス。正面スクリーン投影」
 大画面はこの“島”沿岸数件の家々と周囲の人々を映している。
「相原。探知システム」
 報告を要求され、相原は本来レムリアが座っているコンソールで液晶画面をタッチ。
「船内外カメラ・センサ健全。トレーサ001引き続き追尾中」

 

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