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2017年7月 1日 (土)

アルゴ号の挑戦~東北地方太平洋沖地震~【魔法少女レムリアシリーズ】-111-

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 甲板に相原の声があり、帆膜が少し傾けられた。滑り台の様に滑って甲板に向かう。
 降り立とうとして足がまともに甲板を捉えず、相原に抱きかかえられる。
 気がつくと足が操り人形のそれのようにガクガク震えている。
 しがみつく。
「大丈夫か。ケガしたか」
「いいえ……腰が抜けただけ」
 自分に言い聞かせるように声を出し、身も心もようやく落ち着く。実際には後頭部とかコブだらけであろうが、耐環境ウェアを着ているせいか、キズは出来ていない。
 両の足で甲板を捉え、遺体袋から出てきた二人と対面。犬のラブも無事。
「お疲れ様でした。危険なことをさせてごめんね」
「平気だよ。姉ちゃんこそ大丈夫か?すっげぇぶっ飛ばされてたけど」
 晴人君が指さす。家屋は燃えてはいないが、家屋であると判る姿をしておらず、波間で白い煙を上げている。
『煙は化学反応による。火災の兆候と判断される高温領域無し』
「了解。……大丈夫、空を飛ぶのは慣れっこだから」
 レムリアは環境ウェアのフードを外し、笑って応じた。
 ラブがワンと吠える。
「どうした?」
『生存反応。方位224距離70メートル』

 

15

 

 但し微弱、と聞いた途端、傍らで相原がプラズマ銃を担ぎ上げた。
 両眼スコープを眼鏡の上に被せ、走って船首へ向かう。「当該方位へ回頭」と言い、やおら水面へプラズマを発砲し始める。
 発射された火の玉は水面近くで目映い光球に結実し、次の瞬間爆発音を発して湯煙とガレキが飛ぶ。
 水蒸気爆発を起こさせ、ガレキを除しているのだとレムリアは理解した。
 船行く道が作られる。
 男の力任せ強引そのもの。
〈誰かいる。知ってる人。マータのおばさん〉
 それはラブの認識。ラブは船首へ走って行き、相原は傍らにラブが来たと知り、発砲を停止。

 

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