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アルゴ号の挑戦~東北地方太平洋沖地震~【魔法少女レムリアシリーズ】-117-

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 光ファイバの故にぐにゃぐにゃ曲げて設置できる。これを自分が持ち込め。
『レムリアに持たせろと?何度になると思ってんだ?』
 切断・焼き切るエネルギを持った光束である。光ファイバは反射を繰り返して光を送るが、多少の損失は発生する。それは熱になり、応じて温度が上がる。
「耐熱服を着ています。多少なら……」
 レムリアの物言いに相原の定量的な言葉が被さる。
「レールガンの先端は真空断熱構造になっている。1ブロックを外してそれぞれ両手に持って、それでファイバを挟んで保持。10秒15秒耐えればいい」
 レールガン。電磁射出だが、その銃口はジュール熱で1000度を超える高温になる。応じた断熱構造。そして電磁気力であることを生かし、弾道を変えて照準修正が出来るよう、多少だが先端が動く。更に、弾道に弾丸材料のアルミが溶けて溜まるため、メンテナンス用に外すことも出来る。それを使う。
『判った。言う通りにするぞ。オレは知らんからな』
 レムリアが一旦這い出すと、ラングレヌスが立っており、レーザ用の遮光ゴーグル、穴の開いた金属の塊、とぐろに巻かれた黒い蛇状の物体を渡された。金属の塊はレールガン先端部であり、とぐろは石英ガラスの光ファイバである。金属塊をタマゴ割るように二割し、出来た凹部にキラキラ輝くファイバの先端部を挟む。
 これを胸に抱いてとぐろを伸ばしながら、再び狭いところをユニット構造トイレットまで進む。先端をトイレ下端部へ向け、とぐろの反対を銃口にセットしてもらえれば、光ファイバの見ている画像が操舵室に投影される。
 イヤホンにピン。
『ファイバアタッチメントからの画像を確認。船体レーダの画像と照合、補正完了。予備スキャンを行う。左右に広がるビームが出るから私の指示に合わせて動かせ』
「はい」

 

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