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「天使性」~天使のアルバイト・あとがき~

●あとがきの冒頭の能書き
 
1999年のクリスマス商戦。
東京駅八重洲口・大丸デパートでは、その販売促進ポスターに、きたのじゅんこさんの「遠い音色」という絵画作品を使っていました。要するに天使の絵なのですが、天使が売り上げアップに一役買ってるというわけで、「天使のアルバイト」と私個人は呼んだわけです。
「天使のアルバイト」
そのフレーズは即座に「本当に天使がアルバイトすることになったら?」という発想に結びつきました。
物語インスピレーションの到来です。すぐさま冒頭のシーンとストーリーの断片が幾つかイメージとして浮かび、制作に着手しました。こうして生まれたのが本作品「天使のアルバイト」(そのまんまやんか)です。当初流れのままにストーリーを追いかけ、とりあえず完結を見ましたが、スカスカで密度が薄い印象があり、いつか充実させたいと考えながら5年が経過、そこでようやく再度のインスピレーションを受けて手を入れ、科学的知見の最新化などを行い最終バージョンとしています。
 
●天使性
 
天使には神のそばに使え、神に近しい姿をするものもあれば、人に近似のものもあり、更には堕天使もいます。このことは少なくも、彼らが“人間型生命体”の仲間であり、しかし光と闇の狭間に存在している、とは共通項として書けるでしょう。すなわち人間にも同様の光と闇の揺らぎが存在し、それは否定するものではないことを示唆します。人は己の邪悪さに気づくと自己嫌悪を抱くことが、まま、ありますが、天使達の存在はその邪悪性を逃げる必要も、嫌う必要も、ないのだ、と教えてくれます。「ある」からあるのだし、「必要」だからあるのです。もし、邪悪さのかけらもない人間型生命体があるならば、その「人」は多分「人間くささ」もかけらもないことでしょう。そして、そんな人に守護する天使は必要ない。
あなたはあなたを見守る天使が、いた方が良いですか?それとも、必要ないですか?
 

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