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アルゴ号の挑戦~東北地方太平洋沖地震~【魔法少女レムリアシリーズ】-122-

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 レムリアの作戦イメージ。マストを倒して前方に突き出させ、そこに自分が立ち、船体を90度起こし、その勢いで空中に放り出してもらう。
 さっき自分は“飛んだ”。だからこその発想であり、だからこそ怖くない。
 一番軽い自分なら、一番重い銃を持っても、最も高く飛び上がれる。
『了解した。船長許可を。但し、直上突き上げとしたいのでマストは内側へ』
『許可する』
 相原とアルフォンススのやりとりがあり、果たして船に駆け戻ると、超銃器FELを手にして相原が甲板に立っていた。大男らと同様、ウェットスーツ似の船外活動服を着ている。
 マスト最上部は見張り台になっている。それが眼前に下ろされている。
「君のイメージは遠くへ投げる動作だ。高く飛ばすには下から突き上げる」
 相原は砲丸投げのフォームで、しかし腕を真上に突き上げた。
 折りたたまれた腕を真上に真っ直ぐ伸ばす動作。
 マストは甲板側へ畳まれているが、これを180度反対側、船から船首方へはみ出す方向へ回転させつつ、船首を直立まで起こす。この際、見張り台は位置はこのまま、下から上へ動くように制御する。砲丸投げのフォームで言うなら、肩から肘までは船体の立ち上がり、そして肘から手首まではマストの役目。
 レムリアは見張り台に乗り、相原から質量20キロの粒子加速器を受け取る。
 そのままでは重くてとても取り回せないが。
「銃口を下にして、台の上に立てて。君は倒れないよう支えるだけでいい。打ち上げて、てっぺん付近で重力ゼロになる。それまでスコープとシンクロさせて待て。銃が軽くなったら、照準スキャンして、撃て」
「はい」
 傘を手にしてバス停で待つ如く、レムリアは超銃を見張り台に突き立てた。これで質量20キロは見張り台に託し、自分はトリガに手を掛け支えておくだけで良い。
「いつでも」

 

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