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アルゴ号の挑戦~東北地方太平洋沖地震~【魔法少女レムリアシリーズ】-136-

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「今もう、娩出期って奴ですかね。動かすのは無理ですわ。出血ってこんな量なんですか?」
『見ようか』
 医師の声が聞こえ、程なく保持ユニットの扉が開いて姿を見せた。
 マスク、消毒のアルコール、ビニールの手袋。
「ベッドを立てた方がいいですかね……」
 相原が尋ね、操作ボタンに手を掛ける。上半身を電動で起こすことが出来る。しかし、
「そのままでいい。出血が多いからその状態で立てると脳貧血になる恐れがある。お母さん聞こえますか、私は医師です。赤ちゃんの頭が見えています。もう少しです」
 母は目を向けて頷こうとしたが、そのままギュッと目をつぶり歯を食いしばる。
 陣痛発来。
「いきんで……強くいきんで……」
 輝くような命の誕生……多く描写される形はそれであろう。だが実際はそう、美しいことばかりではない。
 全身の筋肉を使い、力を下腹部に集中させて娩出する。応じて内臓の中のものは口と肛門、尿道から押し出される。そこに出血が加わる。
 迸る悲鳴。
「声を出さない。吸って、吐いて、吸って、吐いて。いきむ。両足を抱えて。学手伝って」
 母に両足を大きく広げさせる。幼子の“おしっこし~”のスタイルである。
 その姿勢を保持するべく、相原に手伝え、太ももを抱えろというのである。
 胎児の心拍が速度を速める。一旦抜力したが、程なく再度力が加わる。
 心拍の速度が下がる。強いストレス。
「次だぞ」
「ですね……来ます」
 もう悲鳴を押し殺すことは出来ない。ただ、それを無理強いする必要も無い。レムリアは思った。
「吸って、吐いて、吸って、吐いて……赤ちゃん頭出ました。先生」
「おう」
 胎児を引き出す。肩が通り、身体がねじのようにくるりと回り(回旋)、夥しい出血。
「少し多いな」
「輸血は……」
「院に戻らんとわからん……この後出来るかい?」

 

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