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2019年4月17日 (水)

【魔法少女レムリアシリーズ】転入生担当係(但し、-魔法使い) -4-

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 彼は彼女と同じ目的で、既に自分でルートを調査済みという。学校より住宅街の中を横切り、端にある公園を通り、造成前のまま残した山の斜面を下って、斜面に沿った遊歩道を歩いて行く。
「ただ、そんなわけで下見してないのでぶっつけ本番」
 諏訪君ははにかんだ。すると、同じく「送っていこうと思って」聞いていた男子の学級委員、辰野(たつの)が腕組み。
「それ、まずいなぁ」
「え?どして?」
「指定通学路じゃないんだ。公園の南側から公団住宅の東側の道を通らないと」
 公園の東側には鉄筋アパート群が並ぶ。その前、ガードレールで区分けされた歩道のある道が所定。但し、この学校のある住宅街ではクルマの通りが多い方。
「あたし公園横切って来ますけど?」
 彼女は反駁してみた。
「公園は黙認。車は来ないし、いつも誰かの目があるから。でも公園の向こうの歩道は茂みが多くて人目に付きにくい。だから厳しく禁止。実際“おちんちん仮面”が出たしね」
 言うまでもなく露出狂である。イチモツを手で振り回して「おちーんちん仮面!」と叫ぶそうな。
「ちんぽこ?こちとら何百とちんちん見とるわナンボのもんじゃ。車道を避けたいわけで。諏訪君に喘息悪化せえと?」
 彼女の淀みなく流れ出た“ちんぽこ”は幾らか教室内女子の目が集まった。一方、辰野君に随行許可を促す効果は薄かった。
「オレが一緒に帰ってることにすりゃいいじゃん。名前ロンダリング」
 平沢は自らを指さし、当人を特徴付けるのど仏をぐびぐび動かした。
 彼女はぷっと笑って。
「名前だけ悪者になっても見られたらバレるじゃん」
「あ、そうか……姫ちゃんと帰ってるってウワサになりたかったんだけどな」
「こらこら、諏訪君のサポートとちゃうんけ」
「OK判った」
 ため息混じりに、締めくくるように、辰野君は言った。
「今日は僕が同行するよ。で、今後について先生に仲介する」
「辰野君家逆じゃん」
「相原さんだって激しく遠回りじゃん。送った後、一旦公園まで戻る感じだろ?」
「スーパーの脇の塾に行ってるからいいってば」
 嘘ではないが正確ではない。すなわち、塾に通ってはいるが、学校帰りに寄ることはない。
「なら、逆に好都合か」

(つづく)

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