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【魔法少女レムリアシリーズ】転入生担当係(但し、-魔法使い) -8-

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 彼女の生来の名はメディア・ボレアリス・アルフェラッツ(Media Borealis Alpheratz)という。帰化して相原姫子。そして、ハンドルネーム、と彼女は言ったが、ある国際組織における通り名・コールサインがレムリアである。
 彼女がその名を自ら教えるのは友人以上の存在のみ。
「幻の大陸……」
「そうだよ」
「オンゲ(オンラインゲーム)か何か?」
 それを聞いて彼女はニヤッと笑った。なお以降彼女の意図により名をレムリアと記す。
「ゲームと言えばゲームだね。超高速の空飛ぶ船に乗り組み、世界中のピンチの元へ駆けつけて救う」
「へー知らない。スキルは?」
「科学に魔法超能力何でもござれ」
「面白そう。超能力ってテレパス?PKは?」
「PK、サイコキネシスか。うーん……って、おいおい。詳しい話はまた。遅刻するよ。行こう」
「あ、うん」
 夢中になると時の経つのも忘れるタイプ。メモ。
 さておきダッシュ!という訳にも行かぬ。彼の息づかい、心拍を探りながら、若干、早い程度で雑木林の中を行く。
 サクラを見せてあげられなかったのは残念だったが、各種の緑が形作るトンネルの中を行くのはリフレッシュ効果が高い。
 学校のチャイム。
「あ」
「予鈴でしょ」
 5分で校門はギリギリペース……の目論見通り、変わらぬペースで歩いた結果、本鈴の鳴り響くを聞きながら校門を横切る。チェッカー(と生徒らが呼ぶ遅刻監視役の教員。自動車レースのゴールで振られる“チェッカーフラッグ”の要素も含んでいる)の男性教員に睨まれ見とがめられながら昇降口へ。
「お前らもう少し急ぐ気持ちはないのか」
 ケンカ腰。胸元に学校名の刺繍の入った青いジャージ。体育教師で陸上部顧問の某。
「すいません彼の身体を気遣ってゆっくり歩いてます」
 一応、まっとうな理由。但し返事を待つまでもなく聞く耳持たず。
「何年何組だ、名前は」
 うるせえよ。
「……まぁいい、次は名前を聞くからな」
 返事しない。こういう“本質と離れた些細な部分に細大こだわる教員”というのが“各種”いるのが判ってきた日本の中学生生活3ヶ月少し。

(つづく)

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