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【魔法少女レムリアシリーズ】転入生担当係(但し、-魔法使い) -21-

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「次、ゆみちゃんはね……」
 変身ヒロインのうちの一人。車いすのまま衣装をチェンジ。
「え、でも……」
 アニメのそれはバトルアクションがある。
「ヒロインだってケガくらいするでしょ。そこで私が美味しいところかっさらって行くから。所々に手品を混ぜます。セリフは適当で」
「適当て」
 助手二人は顔を見合わせた。
「こういうのってお決まりのセリフあるでしょ。それでいいから」
「ええっと……よろしいかしら?」
 専属の保育士さん。子供達が待ってるんだけど。
「ええはい今行きます。ゆみちゃんこれを配って回って」
 レムリアはゆみちゃんの膝の上にハンカチを敷き、その上で両の手のひらを組み合わせ、タマゴ割るように開いた。
 山のようなキャンディーやビスケットなど、一粒ずつ小袋に入ったもの。
「まず私たちが出て行って、これを配ります。諏訪君は後からコソコソついてきて」
「それってあれか、『後ろ!後ろ!』ってやつか」
「その通り」
 レムリアはウィンクを返し、自らホワイトボードをガラガラ押して舞台を開けた。
 とんがり帽子で魔女の格好。
「だっせー、魔法使えよ」
 観客の男の子の突っ込み。彼は先回自分のショーを見ている。
「使うとHP減るのよ。さて皆さんこんにちは、一部の方には初めまして。私は魔女のレムリア。今日は手品を見せつけに参りました」
 帽子を取って胸に手を当て一礼。すると帽子の中からバラバラとステージに散らばるトランプやら造花やら。
「あらこぼれちゃった」
「だせー」
「タネ見えてやんの」
 ゲラゲラ笑って突っ込みが来る。が、その中にひとつ、明らかに帽子より大きなぬいぐるみ。
 足下に座らせる。

(つづく)

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