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【理絵子の夜話】圏外 -34-

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「そのタイミングで笑う?おじさん。ひどい…」
「そうじゃない。思わず吹き出したんだよ。君たち本当に面白いなぁ」
「これでも学校ではお嬢様集団で通ってますのよ。ホホホ」
「おじさまもご一緒にいかがです?」
「もうアッー!はいいよ、お腹一杯」
「今里プリンいらないそうです」
「そのお腹一杯じゃなくてさ」
「でもさっきイモリを生でたらふく……」
「食うか!」
「あれイモリじゃないよ。サンショウウオ」
「どっちでもいいよ。キショイ」
「君に言われたくありません。byサンショウウオ」
「ぬ・け・が・け」
 理絵子は先んじてスプーンをプリンに立てた。
「あ、ずるっ」
「せこっ」
「ぶちょー見損ないました」
 少女達が慌てて席に着き、そのままティータイムになる。プリンは通常の20個分だそうだが、彼女たちにはどうという量ではない。
 その時。
「あら?」
 女将さんが裏口に置いた理絵子の帽子に気づく。
「びしょびしょじゃない」
「あ、しまった。すいません、プリンに気を取られて干すの忘れて」
「ん、了解。陽もあるし出しておけば乾くでしょ」
「そういやそれワサビ田の向こうに落ちたんだよね」
 田島が言った。
 女将さんが理絵子を見る。気にする理由は一つ。
「いえ、塚より奥には行ってません。って、あそこを荒らすわけですよね……」

(つづく)

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