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【理絵子の夜話】圏外 -57・補遺-

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以上で物語を了とする。なお最後に、今回、理絵子が封印の石板を動かしたことによって見つかった、“書”の内容を現代仮名遣いにて記しておく。

この書の開かるるは、全てのことの終わりの時なり。
その時の来たるは、雷(いかずち)の轟きにて知らしめん。
光持つ者の遣わされたるを見る。光は星なり。絆にて結ばるる、畢星(ひつのほし)と昴星(すばるぼし)。
かくもけたたましき星の見知らぬ。
白き光の瞬き(またたき)と、切り取る音と。雷の道を導かん。
巨きな(おおきな)印、小さき手にて大きく動き。
星と星との邂逅(かいこう)を得ん。
通じぬもの通じ、しかし封じるもの封じるを得ず。
(不動明王真言)
この書開かるるまで、禊祓(みそぎはらえ)の儀、途切れる事無かれ。
凛として。
天正拾四年壱月

作者註
1.畢星
ひつのほし、ひつほしとも。おうし座の首星アルデバランのこと。記紀での書き方
2.昴星
すばるぼし、すばる。おうし座プレアデス星団。秋から冬にかけ、まず、アルデバランが昇り、次いでプレアデスが昇ってくる。このため、アルデバランがプレアデスを先導する者とする伝説もある。肉眼では5~6の星が見えるが、ギリシャ神話では7人姉妹である。
3.天正14年
「理科年表」によると、天正13年末に中部地方を震源とする大きな地震が記録されている。話中の山津波はこの地震によると見られる。
4.その他
この「書」では、密教の真言と神事の継続が併記されているが、これは、大和時代以降の神仏合習に起因すると見られる。
5.おことわり
この物語はフィクションです。類似の事象伝説が存在しても本編とは関係ありません。

「圏外」/終

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