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2020年5月13日 (水)

【魔法少女レムリアシリーズ】転入生担当係(但し、-魔法使い) -32-

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 彼女は自分の顔が悪者のそれになっただろうなと意識しながら。
「増えるわけねーだろ。むしろ耐放射線完全防御の箱の中にいた分、ここにいた君たちより浴びた放射線は少ねえ……わよ」
 性格修正。 
「なんでそんな箱に入ったんだ?ヤバいところ行ったってことだろ」
 これには相原学が応じる。
「弊社では宇宙機を製造している関係で、宇宙空間の放射線に耐える飛行機械を幾らか所持しています。その中で放射線が観測されないならば、想定通りの機能を発揮しているという証拠ですからね。商売用の道具です。今回、嫁の……失礼、姫子の要請に応じ、急を要すると考え、自分の裁量で手配出来る自社の飛行機械を派遣しました。福島に行くから、ではなく、利用出来た飛行機械がそれだった、だけです」
 ここで口を開いたのは柴崎の母親。
「原発利権の手先の物言いが信じられるものですか!」
 こりゃだめだ。彼女は思った。そう判断するアナロジーを経験から誘導出来る。
 宗教だ。いつだったか、伝染病対策でボランティア活動をした際、男の子に言い寄られたことがある。すると“異教徒にたぶらかされた”として、男の子は父親に爆殺されてしまった。
 父親は自分を罵って去った。
「相原さん」
 諏訪君の小さな声。
「ありがとう。でも、もういいよ」
 その時。
「良くねぇだろ」
 ドスの効いた、この教室で過去に聞いたことの無い、野太い男の声がした。
 柴崎とその母親の前にのっしとばかり立ち塞がり、睥睨する、大柄な体格。
 平沢である。
「聞いてりゃ勝手ばかり。相原さんは理論で説明してるのに、あんた感情論ばっかじゃんか。いけないことと間違っていることがあるなら、何がどう違うのか説明してみたらどうだ」
「なにあんた生意気な。放射能はごめんだって言ってるだけじゃない。バッカじゃない?」
「だから諏訪君は持ってきてないし、うつらないし……」
「ずっとあそこに居たんでしょ?だったら来るなって言ってんの!」
「今、降って……」
「うるさいわね!あんたも一緒に出て行きな!」
 柴崎の母親は横暴を展開し、平沢、諏訪君、そして彼女らを指さした。
 その瞬間。

(つづく)

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