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【魔法少女レムリアシリーズ】テレパスの敗北 -01-

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 テレパシー。超常感覚的知覚の一つ。五感を介さず色々と“判ってしまう”能力。英語ではtelepathyと書くが、“tele”は“遠隔”を意味する接頭辞。テレパスはその使い手。
 とはいえ、知りたいと思ったことは当然のことながら、知りたくもない情報まで勝手に入ってくることもまま。それは有利なようであるが、時に“手遅れ”な内容であることも。
 こうした“意のままになるようで、そうでもない”状況は、使い手にとって心理的負担、ストレスそのものであって、精神を病む能力者が少なからずいる、というのも納得出来る。“判る”ことを振りかざすのではなく、必要なもの以外は排除する(気にしない)スキルを獲得してこそ上級者なのだというのが最近の認識。ことに“学校”という組織にいれば尚。ここで短い2年生3学期と、3年生になって1ヶ月過ごして判ったことは、何らかベクトルのある思考……すなわち、特定の人や物に向けられた思惟は感知されやすく、中で自分に対するものは遮断できないということ。逆に単なる感想や欲求(花が綺麗、腹が減った)などは、「この人何考えているのかな?」とこちらから探りに行かない限り、感知することはない。すなわち、覗き趣味がなければ、見えすぎて困る、ということはない。
 ちなみに、自分に向けられた思惟を総括すると、男子達は外観上の評価と性的な目線、女子達は好悪両極端の反応、に大別出来る。このうち、性的に見られるのは勝手な想像と決めつけを含んでいて何かムカつくので、“相原姫子……あいはらひめこ:彼女の通り名……は貧乳である”というウワサを女子達に媒介してもらっている。それはそれで新たに食いついてきた手合いもあるらしいが。

(つづく)

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