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【魔法少女レムリアシリーズ】テレパスの敗北 -14-

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 直接感じるものは無い。しかしただ、確信はある。
 東京へ行け。
 以上、平沢が見たのは、駅前をぐるぐる歩き、改札機を触り、そこで腕組みしながら目を閉じてゆっくりと首を西、北、東と動かす彼女。困ったような表情は常軌を逸していて理解しがたいから。
 斯くて彼女は目を見開き、光を蔵した瞳で彼を見た。
「東京駅へ行ってみましょう」
「え?……」
 平沢は眉根に困惑を載せて彼女を見返した。客観的に見て、ここに来たという証拠はないのだ。
 だがしかし。
「判ったよ。姫ちゃん信じるよ。姫ちゃんが嘘言ってるとは俺には思えない」
「ありがと……あ、電車来たんじゃない?」
 ゴーゴーという走行音を聞きながら、二人はICカードをかざして改札を抜け、階段を駆け上がる。
「そういやばあちゃん敬老パスで電車も乗ってるの思い出した」
 それは、平沢が自身を無理やり納得させているように、或いは後で言い訳できる材料を探しているようにも聞こえたが。
 その可能性はゼロではない。この“カードかざして改札チェック”は殆ど無意識に行えてしまう。
 オレンジのストライプを巻いた銀色の電車に乗り込む。平日10時過ぎであり、空席も目立つ。
「これ快速だから東京まで1時間だなぁ……立川(たちかわ)で青梅特快(おうめとっかい)でも接続してれば……」
 平沢がひとりごちる。東京の鉄道乗り継ぎにおいて、彼女は自分で考えたことはあまりない。相原学にくっついて歩いていれば最短・最速・最安価で目的地に連れて行ってもらえる。
 車掌のアナウンス。『まもなく立川です。特急列車通過待ち合わせをいたします。新宿・東京方面お急ぎの方は特急列車にお乗り換えください。特急列車のご利用には特急券が必要です……』
 東京へ急ぐなら。
「乗ろう」
 彼女は提案した。
「えっ?新宿東京までJRの特急なんか乗ったことねーよ。何百円か取られるんだぜ」
「お金の問題じゃないじゃん。使えってもらってるんだし、移動の時間は節約して、探す時間に使おうよ」
「……判った」
 快速電車は速度を緩め、ポイントを渡って待避線へ入り、ドアが開いて二人が下りると特急接近のアナウンス。

(つづく)

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