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【理絵子の夜話】サイキックアクション -19・終-

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「あー、ザビエルだっけ、ルイス・フロイスだっけ。答えにくい質問をされて困ったとか」
「そう。そもそも平和の概念が違うから、価値観が違うから、お互いになぜその質問が出来るのか、なぜそれが“理想”なのか、根本的にかみ合わない。食べ物一つとっても、神様の思し召し、じゃなくて、自力で捕ってくる物だし、命を等価に扱うしね。“いただきます”は命への贖罪と生産者への感謝だけど、天にまします我らの父よ、は、父そのものへの感謝だしね」
 彼女らは相互に、納得した。
 および、これで決着が付いたわけではなく、人間自体の属性であるなら、今後も攻撃がたびたび来るであろうことも。
 そのために自分たちが集められたのであろうことも。
「自分の子を孕ませて、産んだら殺すって」
「野生では、よくあること。言うこと聞かないと殺すってのも、然り」
 立ち位置と今後を納得する。そして、対処できるであろうことも予感はある。
 問題は。
「手近に他に霊能者っていなかったっけ」
 学校にはいない。が。
 日本全体を考えたならば。
〈そういう情報は、我々が仕入れます〉
 大蜘蛛が応じ、同時に聞こえ来るあちこちからの遠吠え。
「犬は霊が見えるとか」
 古来人間のペットであること、犬神とオオカミと大神。
 全部つながった。
「待ちましょう。向こうから来る」
 理絵子は言った。
 それは、日常に割り込むように、忍び込む形で、挑んでくる。
 その後、警察や消防が“校舎爆発”の地に到着したとき、彼女たちの姿は無かった。
 未使用校舎に天然ガスが充満、それが鑑識の結果であった。

サイキックアクション/終

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