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【魔法少女レムリアシリーズ】テレパスの敗北 -24-

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「タクシーだ。親父だろ」
 背の高い進少年が垣根越しを見通して言い、程なくタクシーであろうクルマは走り去った。
 足音が近づき、垣根の向こうに人の姿。
「お、え?」
 縁側の3人は理論上あり得ない組み合わせであり、驚愕しか生まない。
「おばあさまはこちらにお着きになっていました。私は進君のクラスメートで相原姫子と申します」
「ああ、ああ聞いてます。この度は巻き込んでしまったようで本当に申し訳ない。母さんよう、冗談じゃないぜ?どれだけ……」
 彼女は怒気孕む父殿の目を見、手のひらを掲げて制した。
「悪いと思ってるよ……ごめんな……手間ばかりかけてよ。ふと、おれだけこんな便利なところで至れり尽くせりでいいんだろうかと思ってしまってよ」
 手間ばかり。この語に彼女は引っかかった。
 すると進少年。
「ばあちゃん、居づらかったか?」
 祖母殿は目線を外し、少し置いて。
「思っちまうんだよ。おれだけご馳走食べて、便利な生活して。じいさんに申し訳ないなって。お前らにも気を使わせてしまってな」
 炊事・洗濯……昭和的主婦業を祖母殿は全てこなしてきた。それが東京に行って全て上げ膳据え膳。
「進君」
「は、はい」
 彼女に名前で呼ばれてドギマギ敬語。
「普段、お家での家事はどなたが?立ち入ったことを訊くけど」
「かーちゃん」
「おばあさまが参加できるとすれば?」
 すると、人が増えたこともあり、自動食器洗い機、ロボット掃除機を導入したと答えた。後は洗濯だが、物干しは2階。よって、
「ばあちゃんに階段は怖いなって」
「お料理は」
 すると父君。
「妻が本見てカロリーバランスやら考えて作ってますわ……って、母さんすることねぇな。え?ひょっとしてそういうことか?」
 彼女は、祖母殿がうつむいてこちらを見ていないことを確認してから、小さく、父君に頷いて見せた。
「私、グループホームとか顔を出しますが」
 これに祖母殿は顔を上げた。

(つづく)

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