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【魔法少女レムリアシリーズ】魔法の恋は恋じゃない -05-

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 真顔で問うてみる。
「姫ちゃん怖い……本物の魔女みたい……」
 肩をすぼめて目線を外す。その反応は、はぐらかし、とは判じたが、それ以上は追い詰めなった。
 魔法がそんなやすやすと成就するなら、今頃世界はわがままな金持ちによって無茶苦茶になっている。
 ページをめくる。読んでレムリアは思わず小さく笑った。
「それと、このことを忘れないでください。あなたの思いを叶えることが、大いなる意思に背くものであるなら、大いなる意思は全てをなきものとすべく相応しい者を遣わし、あなたは二度とこの書を手にすることはない……美咲ちゃん。これで、私がその、相応しく遣わされたのだしたらどうする?」
 坂本美咲は逸らした目を直ちに戻して大きく見開いた。眼鏡のレンズより大きくなったかと思うほど。
「それ本当?」
「覚悟を問うてるのだと思いますよ。あなたがこれを信じるなら魔女はいるわけだし、応じた取り消される可能性、リスクもあります。軽はずみではありませんか?……私の知る限り、本物の魔法は女の子のおまじないとはワケが違いますよ」
 坂本美咲は即答はしなかった。その時間にレムリアは本を閉じて返した。
 坂本美咲が受け取る……“本を手にできた”。
「やる」
 坂本美咲は強く、短く言った。
 決意が結ばれたとレムリアは理解した。
「姫ちゃんは彼と友達になれた。それは、彼が女の子をきちんと見てくれることだと思うし、姫ちゃんが私の話をちゃんと聞いてくれたこと自体、“お導き”だと思うし」
「判りました」
 レムリアは短く応じた。
「明日には渡せるよ。彼が手にしたもの。半年の習慣づけってどの位できたの?」
 自分たち思春期の娘に屠られたもの……動物性たんぱくを摂るなというのは思想信条抜きに成長という観点から良くないのであるが。
「ずっと大豆ハンバーグ」

(つづく)

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