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【魔法少女レムリアシリーズ】魔法の恋は恋じゃない -14-

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 坂本美咲はついに机に突っ伏してお腹を抱えた。
「だめ……やめ……おかしい……」
「ウケてるよ」
「じゃ、魔王の制服がジャージの世界で」
「いいね。合格するとジャージになると。美咲ちゃん聞いてる?ちゃんと設定書くか覚えるかしてね。ヒラの魔王に拝謁して手品試験を受ける魔女見習いってことで」
 これに坂本美咲は身体を起こして対応しようとするが、腹筋が震えてしまったか思い通りにならない。
「待って……判ったけどちょっと待って……こんなに面白いって思わ……わははははは!」
 その笑い声は“女の子なんだから”やめなさいと言われたであろう類いの爆笑と言って良かった。
「やべぇ本物の魔女の笑いだ。もう合格出そうかな」
「ぎゃははは!」
 上半身のけぞらせて足をバタバタさせて文字通り笑い転げる。〝ツボに入った〟と表現する向きもある。彼らは空き教室を選んで集まったのだが、坂本美咲の大笑いに何事かと覗きに来た生徒もあるほど。
「うるせえよお前ら」
「あ、オレのせいだわ」
「なんだヒラかよ」
 じゃぁ仕方ないとばかりに、文句を言いに来た生徒がドアを閉めて去る。それで通用する。言い換えれば彼の行くところ笑いあり。

5

 そして月曜夕刻。
 平沢家に隣接する寺のお堂に集まったお年寄りと子供たち。
 仏像の前にスペースが作られ、子供たちが〝体育座り〟で並び、後ろにはパイプ椅子に座ったお年寄り。ただし、椅子には諏訪君の姿もある。これは彼が現在預けられている叔父夫婦が高齢であり、このお寺の法話(月例講話会)に参加するうちに立ち上がったイベントであることに基づく。子供達は“トワイライトスクール”と呼ばれる、共働きの家庭の子供さんを両親の帰宅まで預かる施設から。どちらもお寺が関わっての合同イベント。
 廊下から姿を見せた法衣姿の副住職。寺の息子さんだそうで若い印象。眼鏡をかけている。
「本日はお集まりいただきありがとうございます。暑い寒いありましたらお知らせいただきたいのですが大丈夫でしょうか」
「こっちは大丈夫だと思います」
 この発言は諏訪君。そういう部分をお願いしている。

(つづく)

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