【魔法少女レムリアシリーズ】魔法の恋は恋じゃない -17-
リスからトカゲのモンスター。
子供たちはざわついた。そして、そのモンスターがゲームのそれであると気づくや、成長した姿である火を吐くドラゴンに変えろとリクエスト。
「やってみたまえ」
「偉そうだぞヒラ」
これは諏訪君。
「言葉を慎みたまえ、君は魔王の前にいるのだ」
「うるせーヒラ」
「そうだぞ黙れヒラ」
このあたり子供たちが乗っかってくる。
「では、この子をドラゴンに……」
帽子をかぶって、脱ぐ。
間の抜けた顔をしたカバがモチーフのモンスター。
「ぎゃはははは!」
「だめじゃん」
「おかしいなぁ」
もう一度、かぶって、脱ぐ。
ドラゴンだが別のタイプで子供型。
「違いまーす。そのドラゴンじゃありませーん」
もう一度。
キツネと子犬のいいとこ取りをしたようなモフモフのモンスター。
「あ!」
かわいい、という声が女の子から上がる。
「いいなー。欲しいなぁ」
幼い声。サキはレムリアをちらと見た。レムリアは頷いて返す。
「どうぞ」
サキは頭の上のモフモフモンスターを手にして女の子に手招きした。
「え?いいなー」
「あたしも欲しい」
数名。サキは帽子から次々取り出して女の子たちに渡した。
「ずりー(狡い)。俺たちにもなんかくれ」
男の子達の不満は当然。
「判りました何かあげましょう」
サキは帽子からステッキを取り出し、宙へ向かって振り出した。
舞い散る紙吹雪、まるで音のしないクラッカーを破裂させたよう。
男の子達の目は一瞬輝いたが。
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