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【理絵子の夜話】空き教室の理由 -003-

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 心霊写真ということか。デジタルカメラになって絶滅したと言われていたが。
「あなたがそういうものを信じるかどうか…」
 理絵子は写真を全て引っ張り出してテーブルに並べた。
 担任は公園に出向いてバラを撮るのが好きといい、応じてデジタルカメラを所持している。今回担任はステージを36枚撮影し、うち8枚に自分が写っているが、ことごとく首がない。
「カメラはこれなんだけど……メモリカードもそのままです」
「見ても?」
「ええ」
 カメラを起動し、プレビュー用の液晶画面で画像を繰って行く。市内の公園に咲いてる蔓バラ、千葉県は“京成バラ園”の花たち、そして。
 フィルムカメラの時代ならフィルムに傷を付けたり故意に感光させたりして、“何か”を加えたりすることは可能であったろう。比して純粋な電子回路であるデジタルカメラで、首から上だけクローキング(光学迷彩)を掛けたようにすっぽり消え去り、その向こうの緞帳が写っているのはどう説明すれば良いのか。とりあえず口を突いて出た言葉は。
「見事に、ですね」
 理絵子は言った。意図したわけではないが少し軽めの口調で。小笑いでも付ければマンガの一コマ。
 まぁ、呪怨なのだろうというのが自分の中の結論である。担任の抱く感情と深刻さは理解した。しかし、そこで担任を怖がらせてしまっては自分の中ではアウト。
「……なのかしら。やっぱり」
 と、担任。
「断定は出来ませんが可能性はあると思います。デンキカイロですから光の加減だの何だのと理由付けする方がかえって不自然」
 理絵子は首なしと普通の写真を分けた。自分が霊能者と噂されている事は知っている。担任の言う“物知り”はその辺の噂に応じた婉曲表現であろう。対しては、『文芸部のネタとして一通り調べて知っているだけで、ありませんそんなもん』ということになっているので、使える言葉としてはこうなる。
「普通に撮れている方はみんなに見せて良いと思います。これは不気味なので知り合いのお寺さんへ持って行かせてください」

(つづく)

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