【魔法少女レムリアシリーズ】14歳の密かな欲望 -05-
「かといって本当のこと言うと萎縮するだろなぁ。王家の娘と言ったら皇族なみの対応が必要と考えちゃうからなぁ」
相原学は高校時代から普段着にしている野暮ったい体操ジャージの袖を腕組みして言った。
「だよねぇ。嘘つくか。イヤだけど」
「そこまでせんでも。学校には外国の親戚を引き取りました、としか言ってないんだっけ?」
「そう」
「あと言ってあるのは?」
「外国のボランティアに参加して看護師の資格持ってます。但しEFMMとは言ってません」
EFMM……国際医療ボランティア〝欧州自由意志医療派遣団(European Free-will Medical care Mission……EFMM)”である。彼女はそこで世界中を駆け回っていた。戦争・疫病・災害……北緯20度以南が多く、応じて炎天下の活動が多い。結果が日焼け優勢の肌である。なお、相原学とはその過程で知り合い、活動を共にし、年の差を超えて好き合った、とだけしておく。ちなみに同団所属のガチの姫様としてテレビに出たことがあるが、学校にはその娘と他人の空似ということにしてある。数名にはバレているようだが。
「じゃぁEFMMが余りに多忙で現地の学校に通えなくなったので、日本の親戚を頼ることにしました。そのまま社会人まで学習するつもりですって言っておき。定住、進学はウソじゃないんだから」
「うん」
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