« アルゴ・ムーンライト・プロジェクト -013- | トップページ | アルゴ・ムーンライト・プロジェクト -014- »

2025年8月13日 (水)

【魔法少女レムリアシリーズ】虫愛づる姫と姫君 -02-

←前へ次へ→

「実は占いの申し込みとか」
「ルーンのイングズでも渡したら喜ぶかな?」

20250812-114133

(アングロサクソンルーン文字/Wiki)

 これに爆笑したのが男子の諏訪利一郎すわりいちろうおよび平沢進ひらさわすすむ。大方のクラスメイトはきょとん。
「え?なになに?」
「イングスって元の神様が男の妄想の最たる姿を表してんだよ」
 低いトーンの声は平沢。野球部で身長176。ゴツゴツした体型でスポーツ刈り。喉仏が目立つ。
「レディの前ではとてもとても……」
 幼さを残した声は諏訪。彼は呼吸器系の疾患がある。あまり感情の起伏を前に出さないせいか、大人しい男の子、というイメージが定着している。が、ここは唐突な性的表現の登場に失笑を禁じ得ないというところか。
「判った。ルーン文字で下ネタな意味のある奴渡してやろうかってことでしょ?」
 呆れたようにため息をつくのは女子の学級委員で菊名きくな
 冗談はこのくらいにして。
「まぁ、占い目的とは思いません。福祉活動してるのは知れ渡っているので、多分その辺のことじゃないかなとは思う。プライバシーが出てくるので皆前で言えない。だから、ただ単に“用があるから来てくれ”になった」
「あー」
 衆目、納得。
「行くの?」
「悩んでるんでしょ。話聞いて手に負えなきゃこっちのツテを紹介するまで」
「お達者で」
「ありがとがんす」
 “帰りの会”……帰宅時ホームルームを促すチャイム。

 帰りの会の終わり際、職員室へ行く前にワンテンポ、と思い、事の次第を自分の担任、奈良井ならいに話してみる。キュロットスカートの女性教諭だ。
「何か森本先生から話があったりしますか?差し支えなければ」
「あー、ひょっとして」
 奈良井はマンガのように左の人差し指を立て、自らの頬に添えるようにして。
「クラスに2年の当初からずっと馴染めない生徒がいると。奈良井のクラスに転入生が来たと思うがどうなんだと。なので、あっと言う間に誰とでも友達になれちゃうようで、今やクラスの姫様ですよと答えました」
 その指を姫子に向ける。
 彼女姫子は自らを指差し「あたし?」。
「そうあなたのこと。アドバイスが欲しいんじゃない?独身男性に年頃の女の子の心の機微を読み取れとか難しいでしょうし」
「自分のクラスに訊けばいいような気がしますが」
「できればやってる。でもそうじゃない。馴染めないってそういうことでしょ。ひと肌脱いで差し上げたら?」
「日焼けつるぺた14歳のヌードは幾らで買ってもらえますかね」
 既に半袖に変えた制服ブラウス肘の上、袖口を捲ると、日焼け線がクッキリ。

(つづく)

|

« アルゴ・ムーンライト・プロジェクト -013- | トップページ | アルゴ・ムーンライト・プロジェクト -014- »

小説」カテゴリの記事

小説・魔法少女レムリアシリーズ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« アルゴ・ムーンライト・プロジェクト -013- | トップページ | アルゴ・ムーンライト・プロジェクト -014- »