【魔法少女レムリアシリーズ】虫愛づる姫と姫君 -07-
ただ。
「先生のご心配は理解しました。ただし、何にしても不自然はダメです。趣味で占いやってますので彼女が思い悩んで来てくれたとか、トワイライトスクール(放課後に児童生徒を親が迎えに来るまで預かる施設)でマジックショーやったりとか手伝ってますけど、そこの虫取り大会の手伝い募集に応じてくれるとか……必要なら天の采配、思し召しがありましょう。私としても知ってしまった以上、彼女が傷つくようなことを見過ごす気はありません。先生も必要でしたら『虫もヘビも行けるオンナが3組にいるぞ』と言って下さって構いません。ただ、確約はできませんよ」
森本は応接セットのテーブルに両手を付いた。
「巻き込んでしまったようだな。すまん」
「いえ……」
そもそも皆前で自分に声を掛けたのは、断れない環境を作り出したいという奸計であったのだろう。だが、もし、それで自分が“断った”場合に、巡り巡って当の彼女に〝裏事情〟が伝わったら、取り返しの付かない結果を招いただろう。
そこまでは考えていなかったと。
3
教室に戻ると幾らか残っている級友達に囲まれた。
「何だった?」
「キミが転入して早々に友達ができた理由を教えてくれ。話しかけづらい生徒がいて、きっかけ作りの参考にしたい。って。教えてもいいけどその顔でタロット片手に迫られたらイヤだろとは言えなくて四苦八苦」
級友らは大笑い。
「でも姫って何だろ、転入生に対してウチらが持ってた先入観、みたいなもの5秒で破壊したからね」
とは先の菊名。簡単に言うと緊張の初対面、と言う場で、名古屋弁を混ぜて漫才のツカミのようなことをやった。
「あれは猫かぶってもしょうがないし、素のままに、ただ面白くしたいなと。やり過ぎて滑ったかなって思ったけど受けてくれて良かったワ」
「だ、男子代表としてはぶっちゃけ美少女だったので、教室に入ってきた瞬間に破壊されました」
これは男子学級委員の宮越。眼鏡姿のキリッとした好印象だが、色っぽいネタで突っ込んでくるのは珍しい。まぁそれだけフランクな間柄になったと言うことか。
「あらそれはどうもありがとがんす。ってか、みんな待っててくれてありがとね。ちなみにテカテカタヌ……失礼、森本先生には、思春期複雑だから無理に接触せんでも、何かあったら言いに来いと声がけしておくだけで充分で、猫と一緒で過干渉は避けられるだけだと伝えました。さて、んじゃ行こうか野郎共、お待たせ」
「へーい」
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