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2025年9月 6日 (土)

【理絵子の夜話】空き教室の理由 -71-

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 ただ、そのどちらであれ、答えは空き教室にある。
『じゃぁ切るぞ。また何かあったら掛けてきなさい』
「うん」
 理絵子は電話を切った。
 ちょびっとであったが、教えてくれた辺りやっぱり父親であり、自分に甘いと思う。
 思わず笑う。次いで窓の外に目を向け、その窓に映った自分を見る。
 これで担任は母親に預け、危害が及ぶ可能性を排除した。
 必要な情報も全てそろえた。
 あとは。
 理絵子は自分の姿に気合いを入れる。足が痛いとか言っていられない。

11

 午前2時。
 ガチガチにテーピングしてはみたものの、足は自由に使える状態にはあらず。ただ、多少引きずる程度で、歩行や自転車駆動は問題ない。
“これから、空き教室に行く”
 桜井優子にメールを飛ばす。心配してくれている友人にこっそり黙って、はないだろうと思うからだ。
 ただ、同行させる気はない。
 超自然的な意味で危険だからである。相手があゆみちゃん本人かどうかはさておき、自分の超感覚をそれと判らせず感度低下させ、2度に渡って殺害を試みるなど(本当に殺そうとしたならば、であるが)尋常な能力ではないからだ。
 学校に到着する。門から少し離れたところに自転車を置き、後は歩く。
 超感覚感度全開。
 神経回路網が身体を飛び出し、周辺一帯へ広がって行くような感覚にとらわれる。それは例えるなら手足で触れる範囲、見える聞こえる範囲が非常識なまでに拡大したような、と書けようか。
 門扉へ近づく。ライトで照らされ、監視カメラが作動している。更に門扉自体は柱にチェーンでくくられ、番号キーがぶら下がっている。ちなみに、門扉の両脇はグリーンの菱形模様が連なるよくある金網で、昇って昇れなくない。だが、今の手足の状態ではダメだ。
 監視カメラの存在を無視してカギを手にする。10個の数字ボタンがあり、4桁を押すことでリングが外れるというもの。
 番号4312。造作もない。
 解錠。鎖を解き、門扉を身体一杯の力を使って開き、敷地へ入る。
 門扉は元通り閉めておく。何もだからってドロボーさんを招く必要はないからだ。ちなみに監視カメラは警備会社に直結だが、女の子が普通にカギを開けて入ったのを見て、どう反応するか。最も、彼らが来たらそれはそれでどうにかなる。

(つづく)

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