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【魔法少女レムリアシリーズ】虫愛づる姫と姫君 -17-

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「こういう、海外系のボランティアで、ちょっとジャングルに入ったりすれば、そりゃぁもうデカいのグロいのぎょうさんおりまっから。いちいちキャーキャー言うより、見た目で区別できた方がナンボかまし。ただ、ゴキブリとかハエや蚊は、病原菌のキャリアだったりするので容赦なく殺すけどね。アフリカツエツエバエとか聞いたことない?はい、どうぞ」
 ゴムで結んで三つ編み完了。
「ありがとう」
 森宮のばらは後ろを見上げて。
「眠り病……の奴だよね」
「そう。ワクチンもないからシャレにならないんだ。だから日本の蚊帳を持って行く。あれなら同じ物作れるし、ほつれても直せるしね。虫の知識は場所によっては命を救うよ」
 森宮のばらは目を見開いた。
「虫で……って、蚊帳もそうだよね。日本脳炎コガタアカイエカに刺されないように、だもんね。そういや毒のある虫は海外の方が圧倒的に多いもんね……私志低いな。今あなたに、海外、虫って聞いて、最初に浮かんだのはトリバネアゲハ見たいなって。え?あれ?これ冷たい。本物の石なの?」
 森宮のばらは出来上がった三つ編みゴムを手にし、先端の透明に触れてレムリアに尋ねた。
「水晶だよ」
「え?水晶って宝石じゃん。いいの?」
 それこそ水晶のようにキラキラする瞳にレムリアは苦笑した。確かに宝石の一種だろうが。
「ウチのダンナが山梨の石屋さんから一山いくらで買ってきた奴だから。本当はね、小さい女の子向けに持ってるの。だいたいそういうのってプラスティックのおもちゃでしょ。でも子供たちって子供だましを見抜くじゃない。だから安くても本物勝負って思って」
 すると森宮のばらは笑顔を見せた。
「素敵だね。もらった子がいつか本物と気づいたとき、最初の宝物になるんだ」
「えっ」
 今度はレムリアがきょとんとなった。そういう展開は考えたこともなかった。だったら。
「遠慮無く持ってってね。水晶って魔除けだし、いつかあなたを助けてくれるかも」
「わぁ、ありがとう。実は私も初めてなんだ、本物の宝石に触るの」
 森宮のばらは幼子のような屈託の無い笑みを見せた。なんだ、普通の女の子じゃないか。
「母親に取られないようにしないと……あと、帰った後の言い訳確かに必要かな。最近景気悪くてパートの回数減っちゃってさ……」
 肉を食べなきゃエンゲル係数下がるだろう。で、菜食主義を見出したと森宮のばらは説明した。大人になって行く重要な年頃にタンパク質を遠ざけるとかグーで殴り飛ばしたいが、経済的な背景はそれでは改善しない。森本に頼まれた彼女との友情自体は醸成出来るかもだが、そこだけは。

(つづく)

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