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魔法の姫君とはんてんの騎士(アルゴ・ムーンライト・プロジェクト第2部) -136-

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 ネットに踊るニュースの曰く、国際貢献を続ける研究所を2つも破壊した武装飛行船なのだそうな。
「貢献してみました」
 ニヤニヤ笑いながら相原。
「まぁ放っておけ。来たら対応でいい。さてそのどさくさにクジラがどこかへ行くぞと。何ならそれで何か起こっても本船が犯人だと」
 ニヤニヤ応じるアルフォンスス。
「レムリア。クジラは水中でどのように?何か聞けましたか?」
 柔らかく尋ねるセレネ。
「聞いたというか知る限りですが、海洋では水圧の関係で水面下1000メートル付近に音響チャンネルと呼ばれる遠くまで音が伝わる領域が存在します。この水深で、遠くまで届く性質を持つ人間には聞こえない低い周波数で声をやりとりしています。そこにデータを載せて制御というのが船長さん達の見解です。従って、本船で探すとすれば、その深度の水中で呼びかけるか。或いは、彼らは南極と同じ構成を取っているなら起爆メカを背負っていますから、呼吸に出てきたクジラに機械がないか観測するか。いずれにせよ全地球規模で探す必要があり、広すぎるのが難点かと」
 正面スクリーンには太平洋を中心とした地球が映っている。現在アルゴ号は本部で相原に応急処置を施した後、宇宙空間へ逃れている。なお相原は肩を脱臼していた。肋骨に肩に……なるほど船長の言う通りこのままでは彼は文字通り壊れてしまう。
 その肩を見ていると相原と目が合う。
「テレパスは」
「距離に限りがあります」
「南極で苦しがっていると言ってたね」
「無理矢理異物を仕込まれているので、呼吸器系を圧迫されているか、消化器系を圧迫されているか、いずれにせよ苦しいのだと思います」
「そういうクジラを他のクジラに探してもらうことは可能か?見つけたら教えてくれと伝言を依頼する」
「え?」
 可能だ。それがテレパシーの答えである。および、魔女の仕事。ただし。
「私がその頼んだクジラのそばにいる必要があります」
「出会ったクジラに片っ端から呼びかけて、遠距離伝言で広めてもらうんだ。そういう個体を見つけたら魔女に知らせろ」
「なるほど判りました」
「で?クジラはどう止める?そもそもどうやって身体の中に?」
 アリスタルコス。
「出産経路を拡張して中に押し込んだか、喩えが適切か判らんがボトルシップのように中で組み立てたか。まぁ取り出せば起爆するだろう」
 とは相原。
「起爆回路の動作は私が止めることができる……」
 と、アルフォンススは言ってからうーんと唸った。

(つづく)

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